Newsweek 3.28号

Newsweek3.28号のメイン特集は、「ミャンマー 語られざる民族浄化」です。「民族浄化」という発想は、まるでナチスドイツのようですよね。しかし実際にミャンマーでは罪もない特定の民族だけを排除しようとしています。そして、世界的英雄であるアウンサン・スーチーが、そんな現状を無視している。許せないことです。何故自ら辛い思いをした彼女が沈黙を守るのか、理解に苦しみます。彼女はミャンマー民主化だけを掲げていて、あとのことに全く興味はない、という感じです。しかし、国民全てを平等に幸せにしようとしないリーダーは、失格だと思います。ロヒンギャの惨状を考えると、スーチーを尊敬していたのに、尊敬できなくなってしまいます。

東南アジアの無国籍少数民族ロヒンギャの悲劇

このようにロヒンギャのことにフォーカスして特集を組んでくれるのは、大変嬉しいことというか、メディアが正しい現実を伝えようとする姿勢は敬意を表するに値します。世界で被害にあっているのは、自称ISに迫害された難民たちだけではないのです。私はこの特集、注意深く読んでいきたいと思います。

 

==========

【「スカーフ禁止はOK」判決の波紋】

先日、フランスとベルギーで、イスラム教のスカーフをしていた女性が裁判を起こしたその判決で、「政治的、宗教的、思想的な意味をもつ物を見える形で身に付ける」ことを禁止する企業において、スカーフ着用で解雇したことは特に問題はないとしました。つまり、スカーフをしていたら解雇してもいい、ということです。そもそも、この女性たちが何故「スカーフ禁止」を社内規定に定める会社に就職したのかわかりませんが、修飾語に規定にそのことが加えられたのかも知れません。しかしいずれにせよ、このような判決が波紋をよぶことは想像に難くないでしょう。

EUは宗教によって人を差別することを禁止しています。ですから、EU圏内で、本来ならスカーフを禁止するような企業があってはならないと思うのです。しかし、多くの企業でムスリム女性のスカーフを禁止している現実があるというのは、悲しいものです。果たしてこれで、社会が平和になるんでしょうかね?極右思考の強く国では、イスラム教徒が冷遇されているのはもう明らかな事実なのですが、それが少しでも改善されない限り、民族分断による治安崩壊は免れないと私は思います。

 

==========

 【英王子2人のキャラが逆転?】

英国王子ブラザーズのウィリアムとヘンリー。この二人は頻繁に比べられ、しばしば「兄は温厚で優秀、弟はやんちゃ」と言われてきました。しかし、スイスでのバカンスの報道が出てから、ウィリアム王子の公務嫌いが露呈し、彼を支持する人が激減したようですね。しかも、このバカンスが、王室の伝統的な公式行事の真っ最中だったから、ウィリアムが批判されるのは当然のことなのかもしれません。一方、ヘンリーは最近公務もよくこなし、いっときに比べて落ち着いた印象です。本当にどこかで兄弟のキャラが逆転してしまったのでしょうか?

ウィリアムには愛する家族がいます。キャサリンは聡明で素晴らしい女性だし、二人の子供にも恵まれた。一方、ヘンリーはまだまだ自分のヴィジョンが見えずに苛々しているのかな、と思っていました。いずれにしても、王族として生まれた者たちの避けられない運命を思うと、どこかでストレスを発散させたいという気持ちはよく理解できます。

私は彼らのことを「王族なんだから模範的であるべき」と言うつもりはありません。勿論、世間がそう求めるのは理解できますが、私だったら王室に生まれ、生涯公務に追われる日々を過ごすなんてうんざりだし、「何故自分は自由じゃないんだろ?」と人生に絶望するかもしれませんから。彼らがひと目を避けて何かに打ち込むことが犯罪でない限り、そっとしておいてあげるべきではないでしょうか。私は少なくとも、王族である二人には同情します。

 

==========

【暴言王もつらいよ?トランプがつかの間の休息】

トランプとその妻、息子がホワイトハウスからフロリダの別荘へ休暇を過ごすために移動。まぁ大統領なんて世界で一番疲れる仕事でしょうから、当然休暇を過ごすのは大事なことです。

ここ最近のトランプは、普段からの暴言に拍車をかけているし、本気で自ら掲げた民族政策を行っている。有識者をあまり信用しないのか、自分の周りを身内やら友人やらで固めており、これではかつての東欧みたいだとつくづく思います。アメリカの大統領がポピュリストなんだから、世界がその風潮に流されてしまうのは当然のことでしょう。しかし、トランプが進める政策の先には、平和な社会も安定した経済もありませんよ。民族同士の諍いはますます激しくなり、失業率も全く改善されることなく、アメリカ人全体の生活の質はおちます。それを全然わかっていない政治家が最近国を牛耳ろうとしている。トランプはその象徴であり、彼がアメリカの大統領であるなんて、今でも本当に残念です。

 

==========

【SOECIAL REPORT:ロヒンギャを襲う21世紀最悪の虐殺】

世界でもっとも虐げられているといわれる、ロヒンギャ。彼らがどれだけ理不尽な扱いをされ、どの社会にも受け入れられないのか、その歴史について改めて知ろうと思います。このロヒンギャ虐待の背景には、様々な問題があります。15世紀~18世紀、ロヒンギャの住むラカイン州には、かつて繁栄したアラカン王国がありました。ところが、ビルマのコンバウン王朝との戦争の末、アラカン王国は崩壊。迫害を恐れてロヒンギャは隣国バングラディシュに逃げ込むようになりました。これが、ロヒンギャの難民の歴史の始まりと言われています。ラカイン州では、かつて仏教徒であるアラカン族とアラカン王国に出稼ぎで移住してきたロヒンギャとは、非常にうまく行っていたといいます。しかし、イギリスがその一体を植民地化してから仏教徒が冷遇され、アラカン族・ロヒンギャの間に軋轢が生じます。

国境が仏教で国民の90%が仏教徒すから、政府も仏教徒を擁護する形でロヒンギャの集落を徹底攻撃しました。おかげで、彼らの村は壊滅状態です。しかし、ミャンマー国内でのロヒンギャに対する差別意識はあまりに強く、その後も自らの土地を追われ続け、どこの国にも受け入れられず、ただロヒンギャというだけで悲惨な運命を辿っています。

1982年、ミャンマー政府は明確に「ミャンマー人」というものを定義した「国籍法」を定めました。その中に、ロヒンギャは入っていなかった、つまり彼らは「ミャンマー人」とは見做されず、国籍もない状態になったのです。彼らの立場は、「バングラディシュからの不法移民」とされています。これは政府が周到に仕組んだ罠で、ロヒンギャ族を丸ごと抹消するためにあの手この手を使っています。


ビルマ:差別的な国籍法、改正すべき

そんな彼らに許されているものは、「NVC」という外国人仮滞在証明書です。

ミャンマー  ロヒンギャ排斥を扇動する怪僧を“1年間の説法禁止”に 事態改善への一歩か? ← ここで「NVC」について少し触れられています

これをもっていれば、彼らは銀行口座を持つことができるし、ミャンマー国内を自由に移動できます。しかし、これを一度手にすれば、彼らは自分たちを外国人だと認めたことになるから、政府としては彼らを掃討する格好の口実となるわけです。つまり、NVCは国家がロヒンギャ排除に向けて仕掛けた罠、なのです。
しかし、たとえ罠だとわかっていても、ロヒンギャは生活のためにNVCを手に入れなくてはなりません。ミャンマー政府が行っていることは、本当にひどい。ひ
どすぎる。人として、みんな醜い。こんなホロコーストが、再び繰り返されることが許されていいわけがありません
幸運にも日本で難民申請に成功し、現在日本で暮らすロヒンギャたちも少なからずいます。この誌面に登場するゾーミントゥットという青年も、そんな難民の一人です。彼は現在、埼玉で会社を営んでおり、それなりに安定した生活を手にしています。しかし、彼だって本当に祖国のことが心配ですから、頻繁に電話しては「NVCを絶対に作るな」と地元民に呼びかけています。彼はまた、ロヒンギャの惨状を訴えるために、定期的に活動をしています。仕事もあるのに、それでも活動せずにはいられないのです。
このような惨状で国連から目をつけられているゆえに、アウンサン・スーチーもようやく思い腰を上げ始めたようです。過激な仏教僧の1年間の説法禁止は、前進したほうだと思います。要するに、過激な仏教徒が言葉巧みにミャンマー国民を炊きつけ、ロヒンギャ迫害に拍車をかけているのです。今後そのような事態が少しでも改善されれば、ロヒンギャにも希望が持てるようになるかもしれません。しかし、まだまだです。ミャンマー政府がロヒンギャに正式に国籍を与えなければ、彼らは迫害され続けます。スーチーは、大半の仏教徒に遠慮して行動を起こしていないと推測されますが、本当の民主主義を貫くなら、彼女が国民を説得すべきなのです。それが彼女に課された義務だと私は思います。
彼女が臆することなくロヒンギャの問題のために立ち上がれば、私は国民がついていくような気がしています。長い道程かもしれないけど、彼女が立ち上がらなければ前に進まない。今まさに、アウンサン・スーチーの良識が問われていると思います。

 

==========

【軍事用カメラと難民のむき出しの生】

これらの写真は、軍事用カメラで撮られたものです。

軍事用カメラは国境を通過する際に申告しなければならないそう。武器として認識されるカメラ・・・特別なカメラのようですが、実際に、熱放射で30.3km先の人体を感知して撮影することが可能です。別名「赤外線サーマルカメラ」ともいうものらしいのですが、夜間の撮影も可能ということで、これらの軍用カメラの技術は、ドローンなどにも応用されています。

これらのカメラを通して私たちに見えるものは、普段の写真撮影のものと全く違います。例えば立ち上がる煙だけを肉眼で確認できても、それ以上のものは見えない。軍事カメラならその周辺の様子、炎に包まれた建物や人々までもが鮮明に映し出せるのです。

ここで撮影されたのは、難民たちの様子です。軍用カメラで撮ると、全く違う印象に見えます。この写真家、リチャード・モスは、最初にシリアの都市アレッポの見える高台にこのカメラを設置し、その後国境審査を何度も経て、難民を撮りつづけました。戦争カメラマンといえば、日本でも有名な方はいますよね。しかし、実際に彼らの仕事は戦っている姿を写すだけではない。そこで苦悩する人々の姿をとらえ、伝えていくこともまた、彼らの大きな仕事の一つです。ですから、これらの写真は、写真家が命がけで撮った作品ともいえます。

難民という言葉は、昨年から今年にかけて、本当に多く使われました。難民にも色々ありますが、戦火を逃れた難民や経済難民のほか、気候の変化により住む土地を追われた難民たちも多くいます。第二次大戦後最大の難民危機です。そして、これだけ危機的状態なのに、私たちの多くは、その現実を全く認識していない。何だか不思議です。

これらの写真が訴えかけるものを私たちは真摯に受け止めるべきです。特殊カメラゆえに人の顔がよりグロテスクに写っているかもしれませんが、それがきっと、普通のカメラでは捉えられない真実の姿なのでしょう。難民たちの生活は恐ろしく過酷で、寝るところも食べるものも、明日ありつけるかどうかわからない状況です。そして、それらが世界のマジョリティーともいえる現状を、私たちは決して忘れてはならないと思います。私も写真が訴えかける惨状を真摯に受け止め、自分には何ができるのか、今一度考えてみたいと思います。

 

==========

【ドイツと欧州を揺るがす要注意人物】

ここで取り上げられている人物は、ドイツAfD党首、フラウケ・ペトリーです。

フラウケ・ペトリー

いわゆる、フランスのルペン、オランダのウィルダースのような存在でしょうか。今の時代を象徴する人物です。ドイツのポピュリスト正当であるAfDがここまで躍進するとは誰も思っていなかったかもしれませんが、これも時代の波ということでしょうか。昨年イギリスがブレグジット宣言し、アメリカでトランプが大統領になったことで、ポピュリストである彼女は「とても勇気付けられた。少なくとも変化を起こすことができるとわかったから。」と述べています。

ドイツは、史上最悪のナショナリスト集団・ナチス党という忌まわしい過去があるがために、今までポピュリスト政策にはどちらかというと消極的でした。ですから、メルケルのように、西型自由民主主義を唱え、EUでの連帯を主張するような政治家が常に政治の中心にいました。しかし、最近のメルケルは叩かれっぱなし。移民政策で寛容な態度を示すことは立派なのに、それによって国民から反感を買っている。

今までドイツには、ナチスの歴史があったために、ナショナリストの受け皿になる政党がなかったといいます。ですから、発足してまだ数年しか経っていないAfDがナショナリストたちを代弁してくれる頼もしい政党として登場し、心の拠り所が見つかったという人も多かったようです。勿論、欧米全体で極右の流れが吹き荒れていますから、それもまた、追い風になったことでしょう。

私がこの記事を読んで思ったのは、今までのどの極右政党党首よりも、主張の内容がわかりやすく、きわめてきわめて現実的だ、ということです。ルペンやウィルダースは、単なる排外主義に見えてしまいますが、例えば「少子化の問題を移民受け入れで解決するのではなく、ドイツ国内の優遇税制や子育て支援で解決していくべきだ」という主張。これだと、私も納得してしまうんです。自国民が何とかしなければ、という気持ちで行動するのは、とても大事なことです。因みに、フランスは大規模な育児支援プログラムを実行することで、出生率挽回に成功しています。確かにそうすれば、少子化問題はある程度解決に導けます。そして、彼女がまた、5人目の子供を妊娠する母親だからこそ、言っていることに説得力があるのでしょう。

ペトリーが何故党首にまで登りつめたのか、それには彼女の人格が大いに関係していると思います。ここでペトリーに話を聞いている記者によれば、自然体で、どちらかというと学者肌に見えるといっています。確かに元々彼女は化学研究所に勤務し、自ら化学繊維の会社を立ち上げた化学者です。だから、政治家らしい傲慢さよりも、物事を論理的に示す姿勢が徹底しているのかもしれません。

私は彼女に極右という印象はあまり抱かないのですが、それでも「イスラム教徒は欧州式生活に順応するとは思えない」という理由で、イスラム教徒を排除することに賛成しています。それは、極端な話だと思うのですが、とにかく今後論理的に攻めてくる彼女に、EUはより警戒しなくてはならなくなるでしょう。

 

==========

【過熱する教育戦争はベビーブーム世代が始めた】

Newsweek83年3月28日号では、過熱する幼児教育についての特集が組まれていました。83年に子供だった人たちは、きっと教育熱心あ親に育てられたのだろうなぁと思います。何しろアメリカでは戦後経済がやっと上向きになり、人々が希望に満ち溢れ、子供により充実した教育をさせようと躍起になっていたのですから。まぁ日本でいう団塊世代の親が、そういう感じか・・・って、ああそうか、私も83年に子供だった人の一人でした(^^;)

日本ではどうだったかなぁと今振り返ると、私の周りにはそんなに教育熱心で習い事を多く子供にさせていた親はいなかったんじゃないかな、と思います。私の親も、特に勉強しろとか習い事しろとか、強くは言わなかったです。まぁ、習い事はしていたけど、「教育熱」というものがあったわけではない。

人は裕福になると、より良い教育を受けさせようとしたり、色んなことができる子供にしようとしたり、ある意味勝手ですね。確かに人には教育は必要だし、教育を受けていない人にはモラルが通じない。しかし、セレブと呼ばれる人になるほど、子供を幼稚園から私立に入れたがったりしているから、小さいうちから受験で子供を縛り付けるなんて、ちょっとかわいそうだと思ったりします。基本的に、子供は放っておいても育つものですから。

日本では、きっと私の世代から幼児教育に熱心な親が現れたんじゃないかって思います。それまでは、とにかくがむしゃらに日本を立て直していて、教育にお金をかけるという発想はあまりなかったと思うんです。しかし、今の親たちは、一体幾ら子供にお金をかけるんだか・・・途方もないです。子供のいない私からすれば、親の熱意って今じゃ本当に私には考えが及ばないほどすごいレベルになっちゃっているんだと思います。

けど、先進国で教育を受ける機会が増え、教育にお金をつぎ込むようになり、それによって人々の幸福度は上がりましたかね??うーん、そこだけは疑問です。

 

==========

以上、Newsweek3.28号でした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.